RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)

目次

1 CPRS(複合性局所疼痛症候群)

CPRS(複合性局所疼痛症候群)とは、骨折、捻挫、打撲等の外傷によって、慢性的な焼けるような痛みに加え、痛みのある部位に、発汗異常、皮膚の色や温度の異常、脱毛、筋萎縮、痛覚過敏などの異常が発生する慢性疼痛症候群をいいます。

複合性局所疼痛症候群には、以下の2種類があります。

(1)Ⅰ型

RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)と呼ばれるもので、神経組織以外の組織の損傷が原因のものを指します。例えば、事故で骨や軟部組織が傷つけられた場合に起こります。

(2)Ⅱ型

カウザルギーと呼ばれるもので、神経損傷が原因のものを指します。

2 CPRS(複合性局所疼痛症候群)の後遺障害等級

CPRSは、その症状の部位や重さに応じて、7級4号、9級10号、12級13号、14級9号の後遺障害等級がそれぞれ規定されています。どの等級を認定されるかによって、損害賠償金額も異なってきます。

7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

CPRSにより、簡単な仕事以外はできないと認められる場合に認定されます。例えば、身体を使える部位が大きく限られたり、痛みが強くて、通常の仕事に就くことができない方がこれに当たります。

後遺障害慰謝料として1000万円と、後遺障害逸失利益として、健康だったら今後の生涯で得られたと見込まれる収入の56%が補償されます

9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

CPRSにより、選べる職業が相当狭く制限されてしまうことになった方がこれに当たります。例えば、身体を使える部位が限られたり、痛みが生じると仕事を中断せざるを得ないため、職種がかなり制限される方がこれに当たります。

後遺障害慰謝料として690万円と、後遺障害逸失利益として、健康だったら今後の生涯で得られたと見込まれる収入の35%が補償されます

12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの

CPRSの症状によって仕事に少なからず支障が出ている方がこれに当たります。

後遺障害慰謝料として290万円と、後遺障害逸失利益として、今後の生涯又は症状が緩解するまでに得られたと見込まれる収入の10~14%が補償されます

14級9号 局部に神経症状を残すもの

CPRSの症状によって仕事に一定以上の支障が出ている方がこれに当たります。

後遺障害慰謝料として110万円と、後遺障害逸失利益として、今後の生涯又は症状が緩解するまでに得られたと見込まれる収入の5%が補償されます

3 CPRSの後遺障害等級認定

後遺障害等級認定において、CPRSが認められるためには、症状固定時に、①関節拘縮、②骨萎縮、③皮膚異常の3要件が、身体の健康な部位と比べて明らかに認められることが必要があります。

CPRSは、症状が人によってまちまちで、他の傷病と似た症状を呈することも多いため、診断・立証に困難をきたすことの多い怪我です。そのため、適切な後遺障害等級認定を受けるためには、早期の段階で、神経外科の専門医に、治療と、裁判を見据えた証拠の確保を進めてもらうことが重要です。

4 まとめ

以上のとおり、RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)の後遺障害の認定のポイントについて解説させていただきました。他覚所見に乏しく、非常に認定の難しいポイントですが裁判例などの認定例を参考に適切な立証を行うことが重要です。当事務所ではRSDを含む後遺障害認定のサポートも行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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