不倫相手の素性・居場所を調べる方法

不倫をされたからには、きちんと慰謝料を払ってもらいたい。 

しかし、LINEの履歴や写真など配偶者（夫・妻）との不倫の証拠はあるけれど、不倫相手の素性がわからない・・・という方も多いのではないでしょうか。 

本コラムでは、不倫相手の素性・居場所を調べる方法について、不倫・浮気による慰謝料請求について経験豊富な弁護士が、重要なポイントを解説します。 

１　不倫・浮気による慰謝料を請求できる相手 

配偶者（妻・夫）・婚約者に不倫・浮気をされた場合、不法行為として精神的な苦痛に対する損害賠償（慰謝料）を、配偶者（妻・夫）・婚約者とその不倫・浮気相手に対して請求することができます。

配偶者・婚約者に加えて不倫・浮気相手の両方に慰謝料請求してもいいですし、片方にだけ請求することもできます。詳細については関連記事をご参照ください。

関連記事：不倫・浮気による慰謝料請求の流れ

２　不倫慰謝料請求のために必要な不倫相手の情報 

とはいえ、不倫相手の名前、住所、連絡先などの素性がわからなければ、慰謝料を請求したくてもできません。 

不倫に対する慰謝料請求をするためには、不倫相手の名前と、住所または連絡先の情報が最低限必要です。 

３　不倫相手の情報を調べる方法 

では、不倫相手の連絡先（電話番号、メールアドレス、LINEのIDなど）だけは判明しているが、名前や住所がわからない場合はどうしたらよいか、説明いたします。 

（１）自分で確認する 

ア　不倫相手に確認する 

連絡先が分かっている場合、不倫相手に連絡を取り、氏名、住所を聞くことが考えられます。不倫相手が誠実に氏名、住所を明かすことは多くないですが、誠実に対応してくる場合や、やむを得ないと考えて明かすことも、そこまで珍しいことではありません。 

イ　配偶者のSNSやブログを確認する 

配偶者のネットでの投稿や友人同士の繋がりから、不倫相手の個人情報が判明することがあります。そのため、配偶者が利用しているSNSやブログを確認することが1つの手段です。 

ウ　配偶者や不倫相手を尾行する 

配偶者の行動パターンや事前に分かっている予定などから、配偶者が不倫相手と会う日時が予想できたときは、配偶者を尾行したり、行動を予測して先回りしておくことも手段のひとつです。 もし、密会が不倫相手の自宅だった場合、尾行により不倫相手の住所が特定できます。 

そうでなくても、不倫相手が判明した場合、不倫相手の車のナンバーや、帰宅する先などを特定することができることがあります。 

（２）弁護士会照会を利用する 

ア　携帯電話番号・メールアドレス・LINEのID  

不倫相手の電話番号又はキャリアメールのメールアドレスが分かる場合、弁護士に依頼をすれば、弁護士会照会（２３条照会）を利用して、携帯電話キャリア（NTT DoCoMo、au、ソフトバンク、楽天モバイル）に対して、契約者情報を照会することが可能です。 

不倫相手のLINEのIDが分かる場合、弁護士会照会を利用して、LINE株式会社に対して、登録されている携帯電話番号を照会することが可能です。 

LINE株式会社から携帯電話番号の回答があれば、それをもって携帯電話キャリアに対して契約者情報を照会することができます。 

イ　車のナンバー 

自動車のナンバーが分かる場合、弁護士に依頼をすれば、弁護士会照会を利用して、陸運局（軽自動車の場合は軽自動車検査協会）に対して、車検証に書かれている自動車の所有者、使用者情報を照会することが可能です。 

車検証から、自動車の所有者、使用者の氏名、登録住所が分かります。ただし、古い車の場合、登録住所から引っ越してしまっている場合があります。その場合は、弁護士から各自治体に対して、過去の住民票を請求し、引っ越し先の住民票上の住所をたどっていくことが可能です。 

（３）探偵事務所や興信所（調査会社）に依頼する 

配偶者の行動に不審点がある場合、探偵や興信所に依頼して、配偶者の行動調査を依頼することが考えられます。 

依頼を受けた探偵は、配偶者を尾行し、不倫相手と会ったらその後は不倫相手を尾行して、行動を掴んだ後、ホテルや不倫相手の自宅などの不倫現場への出入りの証拠を押さえます。その過程で、不倫相手の氏名や住所、勤務先などが判明するケースがあります。 

しかし、探偵や興信所に調査を依頼する場合には、多額の費用が発生します。もし、探偵や興信所に依頼する場合、不倫相手との密会の日時、待ち合わせ場所などが予想できる情報を事前に自分で集めて依頼することが、費用を抑えた上での精度・確度の高い調査につながります。 

（４）配偶者に確認する 

可能な限りの調査を行って、証拠を収集した上での、最後の手段として、配偶者に直接聞くことが考えられます。 

配偶者が離婚を希望しない場合、不倫相手の情報を教えてくれれば離婚は思いとどまる等と交渉することで、不倫相手の情報を教えてくれる可能性が高まります。 

ただし、あなたから配偶者に不倫相手の情報を聞くということは、こちらがどの程度の情報を持っているか（持っていないか）が配偶者に分かってしまいます。白を切られたり、不倫まではしていないと言い訳をされてしまうリスクがあります。 

そのため、できる限りの情報や証拠を集めた上で、最後の手段として配偶者に直接聞くことが望ましいといえます。 

４　まとめ

ここまで、不倫相手の素性・居場所を調べる方法について解説いたしました。 以上のとおり、不倫相手の素性・居場所を調べるにあたっては、結局、弁護士に依頼する必要が出てくることも多いことから、早い段階で弁護士の判断を仰ぐことが望ましいです。 

G&Sでは、法律相談までに得られた不倫相手の情報を踏まえて、経験豊富な弁護士が個別具体的な事情に応じた最適な方法を考えて不倫相手の素性を調べ、慰謝料請求を行います。不倫・浮気の慰謝料請求については、G&Sまでお気軽にご相談ください。