不動産オーナー(不動産賃貸業)と賃借人とのトラブルは多岐にわたりますが、最も多く相談を受けるのは賃料滞納など賃借人の債務不履行への対応です。
賃借人に賃料不払いがあった場合には、賃貸借契約を解除して建物明渡請求を行うことが考えられますが、判例上、賃貸借契約の解除にあたっては、信頼関係の破壊が認められる必要があるとされています。
また、賃借人に債務不履行がない場合でも、賃貸人が自分で当該建物を使用する必要性が生じた場合には、賃貸借契約の更新拒絶や解約申入れを行うことが考えられますが、更新拒絶や解約申入れにあたっても正当事由が必要とされます(借地借家法6条、28条)。
以下では、賃料滞納など賃借人に債務不履行があった場合や、賃貸人が自分で当該建物を使用する必要性が生じた場合等について、建物明渡請求を行う場合の手続きの流れや、賃貸借契約の解除、更新拒絶・解約申入れが認められるための要件について解説いたします。