不動産売買にあたっては、売買金額が高額となることが多いことから、通常の売買以上に慎重な対応が求められます。特に、契約時には認識していなかった土地や建物の契約不適合(瑕疵)について、後になって売主・買主間で争いになることも多く、このような事態を防ぐためにも、不動産売買の取引の流れや取引書類について理解し、場合によってはデュー・ディリジェンスを行い、売買契約書において当該不動産に係るリスクを可能な限り取り除いておくことが肝心です。
また、売主が宅建業者の場合には、宅建業法により説明義務が課せられるほか、未完成物件の売買等において特別の規制が設けられているため、宅建業者としてこれらの規制を正確に把握しておくことも必要です。
以下では、不動産売買取引の流れや契約上の留意点を解説したうえで、手付解除や契約不適合責任・説明義務違反など、不動産売買契約において売主及び買主間で生じ得る法的問題点について、解説いたします。